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はじめに

 二十世紀初頭のイギリスのパルプ怪奇小説作家、ウィリアム・ホープ・ホジスンを紹介します。
 ホジスンは、ラヴクラフトに大きな影響を与えた作家として、また海洋怪奇譚の名手として、あるいは古典SFとして今なお多くの作家にインスピレーションを与え続けている「異次元を覗く家」の著者として、今でこそ怪奇小説を語る上では欠かす事の出来ない作家の一人とされていますが、存命中はぱっとしないパルプ作家という扱いであったし、その作品は死後、長く埋もれたままでした。
 日本は、イタリアについで、彼の作品が多く翻訳されている国ですが、それでも一般の怪奇・SFファンの間では、ホジスンの名前はカルト映画「マタンゴ」の原作者として知られているのが現状で、よくてもせいぜい「異次元を覗く家」の作者として名前が通っているというだけです。彼の作品の大部を占める海洋怪奇譚は、マタンゴの原作になった「夜の声」ばかりが数々のアンソロジーに収録されているものの、そのほかの優れた作品群はいまだまともに取り上げられていません。海洋怪奇譚の短編集も二冊出てはいますが、だぶっているものが多く、惜しまれます。
 ホジスンは、そういうわけで日本では知名度がないわけではないのですが、その人と作品についてはよく知られているとは言いがたいようです。前述したように、ホジスンが日本で比較的知られているのは、「マタンゴ」という怪獣映画と、あの荒俣宏氏の積極的な働きかけによるものが、ほとんど全てだからです。
 ところが、 最近彼の「ナイトランド」などが「指輪物語」の源流のひとつとして復刊されたり、ハヤカワ文庫の復刊フェアで「異次元を覗く家」が復刊されたり、また、海外でも彼の全集が刊行され始めたりと、ちょっとした注目もあたっている(のかな?)ようです。これは、彼の大ファンとしては、嬉しいことです。そこで、こうしたコンテンツを作ろうと思いました。どうか少しでも彼の人と作品に注目があたればと思います。

  ところで、 最後になりましたが、このサイトを製作するにあたり、日本でおそらく最もホジスンを愛し、研究されているkaneさんから寄せていただいた貴重な情報を、数多く参考にさせていただいています。kaneさんの研究の成果は驚くほどで、ここで紹介しているのはその片鱗に過ぎないとも言い添えさせていただきます。感謝とともに、お礼を申し上げます。

shigeyuki

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